バックれマン

バイトは最短2日でやめる

キンタマーニ 兄貴と僕と、時々オカン

キンタマーニとは

キンタマーニ村(Desa Kintamani)は、インドネシア共和国バリ州バンリ県キンタマーニ郡の村。バリ島北東部に位置し、バリ島で有名な観光ポイントであるキンタマーニ高原キンタマーニ湖(バトゥール湖)を有する。-Wikipadiaより

 これからの時期にぴったりそうな観光スポットである、が、今回は違う、僕自身のキンタマーニの話である。

ことの始まり

その日はひどく暇であった、また開放的であった。夏かと思える日差しに僕は引きこもった、遮光カーテンの中で僕は全裸であったのだ。

ふと、玉袋に手が伸びる。かつて「ガナニー」と呼ばれるエクストリーム自慰をおこなった人間を思い出す、なんでも意識が飛ぶほど気持ちいいらしい、また、ガナニーのガは精巣がんのことであり若年層に多く、進行性の早いがんでもある、早期発見に越したことはない、期待と恐怖を胸に早速触診を試みる。

なんてことはない、ただのキンタマーニだ、だが、その隣に小さなしこりを見つける(今考えれば副睾丸もしくはその他臓器であっただろう)少しやわらかく、反対にも同じものがある、しかし好奇心とは時に恐ろしいもので、僕はソレを強く押す衝動を抑えられなかった。

コリッ

下腹部に鈍痛が走る、痛い、だが強打したときほどではない。明日になれば痛みも引くだろうと酒を飲み、床に就く。

羞恥と葛藤

1日目

痛い、起きたときに最初に思ったのはそれだった、改めて確認するとそれは昨日触った右のキンタマーニであった、一抹の不安がよぎるが気のせいだろうとタバコをふかし気を紛らわす、だが、飯を食えど風呂に入れど下腹部の鈍痛は主張をやめず、それどころか時折鋭い痛みまでしてきた、さらには熱まで出てきて唸るように床に就くこととなった、短い眠りを何度か繰り返し、明日こそはと祈りつつようやくしっかり眠れた。

2日目

絶望の目覚めであった、なぜなら痛みによって目が覚めたからだ、祈りも通じず焦り、考えうる限りの病名を呆けた頭で必死に考えた、がん、精巣捻転、精巣炎、このうちがんと捻転は全摘出の恐れがあるので怖いが、きっかけと経過時間を見るにおそらく精巣炎の類であろうと決め付けた、だが熱は続いているので性機能を失う可能性がある、しかし「キンタマーニで遊んだら痛くなりました」などと医者にも言えない、ましてや親にそうやって病院代を借りるわけにも行かない、そんな不安をやわらげてくれたのが兄貴だ、本名を玉渡優兄(たまわたり ゆうけい)*1という、心配と励ましの連絡をくれた、その一部をここに載せる

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 勇気が出た、何せ全摘出になろうとも同じ血を分けた兄弟から玉を貰えるのである、親には「熱と腹痛が治まらない」とだけ告げて金を借りた。

プロの目利き

 またキンタマーニの痛みで目が覚める、しかし今日はこの痛みとも決別できるのだ、そう思えば辛くなかった。

病院は駅前にあった、ご老人ばかりで少々居心地が悪い、問診表に「二日前から睾丸の痛み」とだけ書き提出、すると70分待ちだと言われる、幸いに中座が許されていたので軽い昼飯を済ませ、向かいのパチンコ屋のソファーでタバコをふかしていた。

程なくして院内に戻り、名前を呼ばれる、問診を受けつつやんわりと強く触った旨を伝える、エコーで確認すると言われズボンを脱ぐ、すると

「あー出血してるね」

かつてこれほどキンタマーニに詳しい人に出会ったことがあっただろうか、一応エコーで中を見るも目立った傷は無く、安静にしてればよくなるとのこと、薬もいらないみたいなので支払いを済ませ退院、晴れやかな気持ちでビールを買いピザを頼み(親から借りた金)この記事を書くに至った

 

みなもキンタマーニ遊びはほどほどにしよう、さもなくば不安に取り付かれながらおじさんにキンタマーニにローションを塗られ情けない声を上げることになる、そうならぬよう、自戒の念もこめて、終わりとしたい。

*1:嘘です