バックれマン

バイトは最短2日でやめる

蜃気楼 〜東京の砂漠で見た幻〜

唐突だが、僕は働くことを始めた、とはいえ日雇いだがガガーリンが言うように1人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては大きな一歩であろう。そんなことはさておき、今日は肉を喰らったのだ、元を辿れば友人のオフ会からの知り合いなのだが初対面で、ましてや会員制の肉屋に誘うとはなかなかのハードルである。しかし奢りと聞かされて断る自分ではない、その日から1ヶ月ほど待ち、ついにこの日が来たのである、待ち合わせは都内某所、17:50に改札で落ち合いそこから5分ほど歩いたところ、看板も出ていない完全にクローズドなお店である、期待と緊張の入り混じる中ドアを開けると目に飛び込んでくるのはなんと新政No.6のボトルである

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そもそも数が少ない新政の、さらにNo.6がこれほどの量置いてあるとなると流石会員制は伊達じゃないな、と言わざるを得ない。

メニューはコースのみでスープ、前菜、サラダとこの時点で既に美味しいのだがビールと共に味わって、ここからが本番である。

 

先ずは日本酒をオーダー

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プレミアムなのがあるとは聞いていたがまさか新政からスタートするとは思わず驚きの声を上げる、爽やかさがこの時期や肉と絶妙にマッチするやはりとても良いものだ…と味わっていると最初の肉が届いた

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 低温熟成の牛タンらしい、この手の見た目でネギがのっているものが不味いわけなかろうと口に運んだ瞬間…

言葉に詰まってしまった、何故なら僕の知っている牛タンと別物なのである、今まで食べて来たのが肉でなくこれが本物の肉なのか、それともこれが肉ではないのか、3分ほど悩んでる姿を店員と連れて来てくれた人に笑われつつもそれを上質な日本酒で流し込む幸せ…もはや夢を見ているといわれても疑わないほどであった。

 

次の日本酒、この日は天青が推しだったらしく本醸造から米違いまで8本も用意してあり飲み比べると違いがわかる贅沢な取り揃えだった。f:id:akkieeffect:20170820110253j:image

この後も肉がどんどん出てくるのだが僕の語彙力では紹介しきれないので写真と肉の種類だけを載せておく。

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ざぶとんの低温熟成

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イベリコ豚の低温熟成

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こちらの部位はランプ、ここらからこの店では柔らかいのは標準なんだな、と気づく、やたらと美味い。

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そして今回の目玉ともいえるネクタイ、お尻の方の部位らしいのだが繊維が細かく柔らかさとサシの旨さはもちろん、初めての食感にただただ驚きの声を上げるしかなかった。

その後、締めの白米(米ですらめちゃくちゃ美味いのだ)とカレー(こちらも煮込んだ肉がすごい)、そして最後に余った肉をおかわりタイムとしていただいた。

一応コースとしては終わりだが飲み放題が延長できるとのことで1時間だけ伸ばし生ハムと共に追加で日本酒を頼む、そしてすっかり酔っ払ったところで普段ではあり得ない注文をしてみようという話になりお願いしたのが最初とは種類が違う新政No.6の”燗”である、

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これだけ香り高くフルーティなお酒を燗にするのは贅沢極まりないのだが、そこは店主の腕の見せ所、ぬる燗ほどの温度で味の深みを増しつつ風味の飛ばない絶妙のタイミングで飲ませていただいた、その夢心地の覚めぬまま気が付いたら家に着いていた。

やはり夢でも見ていたのでは?と疑いたくなるほどの至福を感じつつ、そのまま布団へと横たわった。