神の座 〜ラーメン二郎関内店〜
日本には八百万の神がいるという、コメの一粒からトイレに至るまで多種多様である、本記事はその一柱に招かれた筆者の物語である。
今は何月何日の何時だ?
深く眠りにつくと目覚めた瞬間理解ができない、バイトをばっくれたが故何日何曜日の何時であるかを理解できないのだ、自由の代償といえる。時計を確認すると14時になろうかというところだった、同時に兄からのLINEを確認する、どうやらバイトをズル休みしたらしい、この弟あってのこの兄である、しばらく会話をしているとある考えが浮かんだので兄に聞いてみる
どうやら乗り気みたいだ、早速兄の近くのうまい二郎を調べるべく友人に連絡、某有名店が引っかかった、こうなるともう胃袋か二郎の準備を始める、夜の部に合わせて電車を調べていると兄から返信が
筆者の怒りは文面の通りである、頭は納得すれど胃袋はそうはいかない、もう二郎に行くしかないのである。
そんな中友人からのラインが
物騒な世の中になったものだ、何故だかわからないが私は関内二郎に行かなければならない、そう思ったのである。
と触れ合うこと数時間、重い腰を上げ、いざ神の座へと至ることにした。
やはり冷え込む、昨日は雪が降ったというのだから当然であろう、駅から足早に神の座へ向かうといつもの1.5倍ほどの行列が、ああそうだ金曜日だったかと思いつつ最後尾へ、前列の若者が列を乱しておしゃべりをしているのを見ながら心の中で(神の御前であられるぞ…わきまえたまえ)と唱えつつ並ぶこと1時間、ついに見えてきたこの看板。
やっと会えましたねと言わんばかりの興奮である、食券を購入し寒いから奥の方が空くといいな〜と眺めていると今日は店長がいる、これは期待できそうだと思った矢先に店長の目の前の席が空いた、やった!一番奥の席だ!
食券を出し座ること3分、「ニンニク入れますか?」のコール、すかさず「ニンニクマシマシヤサイちょいマシアブラマシカラメ」と応える、めんどくさそうなコールにも柔軟に対応してくれるあたりがさすが関内店と言ったところであろう。
程なくして眼前に現れる神の供物、このために今日があったのだと言わしめる出来だった。
ラーメン二郎関内店小ニンニクマシマシヤサイちょいマシアブラマシカラメ
写真もそこそこにさっそく豚へかぶりつく
…美味い、今まで食べた中でおそらく最高であろうと言わしめるジューシーさ、2つとも平らげ麺へと箸を進める、いつもより少し硬めか?しかし普段だいぶ柔らかいので許容範囲といえよう、早々に片付け残りの野菜の前にホワイトペッパーを、これは正解であった、そのまま完食し店を後にした。
神秘的な体験の余韻を味わいながら一服、豚を増やしても良かったかなと思いながらも満腹にならないのを感じて思う、おかしくなったのは胃袋か頭か、どちらにせよ美味いことは変わりないのだと思いお腹を引きずり、帰宅への一歩目を踏み出した。